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チカーノ・バットマン メキシコシティ ライヴ レポート by 長屋美保

 

何年も前から、ものすごくライヴを観たいと思っていたバンドのコンサート当日は、朝からそわそわする。その、ライヴ会場へ向かう車のなかで、カーステレオから流れるFMラジオから、年季の入った艶やかなオルガンの音と、ブラジルの70年代ロックっぽい歌唱が聞こえてきた。

「ロサンゼルス発!サイケデリック・ロック、チカーノ・バットマンが初のメキシコシティ公演!」 と、アナウンスが入ったCM。そう、まさに私は、彼らのコンサートへ向かっていた。メキシコで、彼らは「サイケ・バンド」という定義なのかと、違和感を抱いたのだが、それには、彼らのレトロなスーツ姿や、ビンテージ楽器を使ってる様から、そう思われているのかもしれない。そういえば、私も、彼らの存在を初めて知った時は、懐古趣味なバンドなのかと思っていたが、その音楽を聴いてみて、ただ者ではない卓越した演奏と、秘められた熱いメッセージに気がついた。ビンテージを纏った、雰囲気だけのバンドではないのだ。

 

2017621日、水曜日の夜。平日にもかかわらず、会場の国立劇場の小ホールである、LUNARIOは大勢の人々が集まっていた。同会場は、スタンディングでキャパ1000人ほど。日本で例えると、ブルーノートみたいな場所で、音響も素晴らしく、申し分のない場所だ。前日に行われた、リード・ボーカル担当のバルドの出身地、メキシコ第2の都市ハリスコ州グアダラハラ公演では、チケットはあっという間に完売した。バルドの親戚たちも、多くコンサートに訪れたとか。

そして、メキシコシティも公演3日前にチケットが完売した。メキシコでは、彼らの知名度が、それほどあったわけでもないので、これには招へいする側も驚いたときく。メキシコのヒップスターが好むラジオやサイトでも宣伝していたが、それだけではなく、「なんか知らないけど、やばいバンドが来る」という、口コミの力も大きかったのではないか。

 

コンサートが始まる前に、会場のスクリーンに、「このコンサートは録画され、チカーノ・バットマンのホームページで公開します」というテロップが流された。録画されるということは、ますます良いコンサートが保証されているようで、期待が高まる。

 

オープニングアクトを務めたのは、サルバドール・イ・エル・ウニコルニオというインディロック、フォークっぽいアーティスト。サルバドールは、グアダラハラ出身で、LAに長い間住んでいたそうだが、最近メキシコシティに暮らし始めたそうだ。

 

彼の演奏が終わると、会場に、1000人以上はいると思われる観客たちが、チカーノ、チカーノ、チカーノ、チカーノ!と一斉に叫び始めた。チカーノ・バットマンというと長いから、チカーノって呼んでるわけだ。

しかし、あんなにたくさんのメキシコ人たちが、チカーノと叫んでいるのを聞いたことがないので、何か不思議な感じだった。

 

さて、シックなスーツを身にまとったチカーノ・バットマンが登場し、会場の熱気は最高潮に。

最初の曲は、20173月にリリースされた、彼らのサード新作『Freedom is Free』から、コーラスが美しい「Angel Childs.

続いて、哀愁のオルガンの音色がグッとくる「Cycles of existential Rhyme」(2作目の『Cycles of existential Rhyme』)。

リードヴォーカルを担う、バルドは、オルガンとギター、時にはマラカスをとっかえひっかえ演奏していて、その器用さに驚愕する。

 

 

この時、必死で写真を撮ってたので、落ち着いて聞けなかったのが悔しい。

ニューアルバムからの曲を中心にしていたけど、ファーストアルバムの『CHICANO BATMAN』からの曲も多めに演奏していた。

しかし、好きで聴いていた曲が、目の前で演奏されていることが、未だに信じられない。彼らのPVは、夢現つな感じの映像が特徴だが、コンサートもまた、現実に見ているのに、夢のようで。彼らの音楽を聴いていると、ものすごくいろんな感情が押し寄せてくる。でも、温かく包み込んでくれるような、寛容さもあって、安心して、身を委ねられるような。観客たちは、みんなうっとりとして、幸せそうだ。

 

 

メキシコのファンからは、「ITOTIANI」(ファーストアルバム『CHICANO BATMAN』に収録されている曲。どうやら、メキシコではそこそこ人気のあるCALONCHOというアーティストが、カヴァーしていたので、知られているようだ)が人気のようで、コンサートのしょっぱなから「ITOTIANI」を演奏してくれ〜って声がかかっていた。

スペイン語の曲が演奏されると、みんな一緒に歌えるので、盛り上がる。

チカーノ・バットマンのMCも、すべてスペイン語(しかも流觴)なのが、なんだか嬉しい。

ベーシストのエドゥアルドが、「ミチョアカンの家族は元気か〜」と、会場に呼びかけると、

家族がたくさん来ていたみたいで、大盛り上がり(エドゥアルドは、ミチョアカン州出身らしい)。

 

 

コンサートの後半では、「愛するメキシコの人々にこの曲を捧げます」と、60年代伝説のメキシコのロックバンド、LOS FREDDY`S(チカーノ・バットマンにかなり大きな影響を与えたグループ)のバラード、「Dejenme llorar」をカヴァーした。グアダラハラ公演では、LOS FREDDY`Sの元メンバー 、フェルナンド・タピアがゲスト出演したらしい。

LOS FREDDY`S -Dejenme llorar

https://www.youtube.com/watch?v=oROsrZCy3Qo

 

 

そして、アンコールでは、

壮大なインスト曲 LA TIGRESA (ミニ LPJOVEN NAVEGANTE』収録)から、ベースのエドゥアルドが歌う、「LA JURA」、そしてついに、「ITOTIANI」を演奏し、観客たちは大合唱。

驚いたことに、シメはメキシコのバンダ・グループHechizeros Bandの、2008年のヒット曲 EL SONIDITOのカヴァー。

 

Hechizeros Band - El Sonidito

https://www.youtube.com/watch?v=x47NYUbtYb0

 

オリジナルは、おもろいけど、単調で、耳障りな曲なのだが(はやってた時は毎日のように街で聞こえてきてイライラした)、チカーノバットマンが演奏すると、かっこよく聞こえてしまうのが不思議。

観客たちは、みんな息を切らしながらも、踊りまくり、幕を閉じた。

ソウル、ファンク、ロック、サイケデリック、踊りあり、サウダージ(郷愁)ありと、なんだか 一回のコンサートの中に人生を見たような、本当に濃いものであった。

 

 

 

今回、念願のコンサートを観れたのも良かったのだが、ディヴィッド・ゴメス(SlowriderMontecarlo76。元アメーバのワールドミュージック・バイヤーで、DJやライターとしても活躍中)と、10年ぶり(もしくはそれ以上?)に再会できたことも、嬉しかった。

チカーノ・バットマンのステージで準備をするゴメスの姿を確認したが、ローディとツアーマネージャーまで担ってる感じで、めちゃくちゃ忙しそうだったけれど、後日タコスを食べながら、話ができた。1日だけのメキシコシティでの休日は、オープニングアクトを務めた、サルバドールの案内で、チカーノ・バットマンのメンバーのバルドやカルロスと一緒にレコードを買い漁り、満足した様子。

ゴメスの話によれば、今回のチカーノ・バットマンのメキシコ・ツアーは、ビデオ制作のために、わざわざ企画されたらしい。これは、ビデオの完成が楽しみである。

チカーノ・バットマンのコンサートに行った友人や知人たちも、「今年観たコンサートで一番すごかった」とか、「次の日の朝もコンサートの余韻を感じながら目が覚めた」とか、かなり良い印象を持ったようだ。

 

今回、反響が大きかったので、チカーノ・バットマンが、またメキシコへやってくることもありそう。ぜひ毎年来て欲しいな〜と思うのだった。

 

Miho Nagaya (メキシコ・シティ在住)

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